その他のダイエット

身体に要らないものを一掃する
ファスティングダイエットで体をデトックス

日本語で「不食・断食」と訳されることも多いファスティングですが、ただその名前だけのイメージが先行している感もあり、かなり意思の強い人でなければ難しそうなイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかしながら、実際には今はファスティングダイエットも実は芸能人の方が挑戦して成功した例も多くあり、ファスティングを専門に行う施設も存在します。
今回は、そんなファスティングダイエットをピックアップしています。

ファスティングダイエットとは

ファスティングダイエットとは、一定期間、固形物を摂取せず、野菜の栄養素が詰まった酵素ドリンク・水・ノンカフェイン飲料などを飲用するだけで過ごすダイエット方法です。

方法から分かるように、短期間で結果を出したい方向けのダイエット方法になります。
減量可能な体重は当然ながら個人差がありますが、肥満度が高い人ほど痩せやすい傾向があるのは間違いありません。

これは、ファスティング中は体内の脂肪がエネルギー源となるためです。
人間の身体は言うまでもなく、食事を摂取することによって体内に必要な栄養を補給しています。

しかし、内臓などを機能させるための栄養素を十分に摂取できなくなると、体内に溜め込んでいるエネルギーを消費せざるを得ません。

そのために存在しているのが脂肪になるのですが、そもそも脂肪はダイエットにおいては敵扱いされていますが、脂肪自体には実は罪は無く、過剰に体内に存在していることが問題なのです。

特に寒冷地で暮らす人々にとっては脂肪は非常に重要な栄養素なのです。
寒冷地で生活する場合、温帯地域に比べて通常生活を行うだけでも1.5倍のカロリーが必要になるのですが、一例として、軍隊の摂取カロリー基準を比べてみましょう。

陸上自衛隊1日3,000kcal
アメリカ軍1日3,000~4,000kcal
ノルウェー軍1日7,500kcal

寒い場所で勤務している場合、それだけ身体を温めるのにカロリーが必要になります。
このことから、脂肪は必要な場面では必ず消費される栄養素であることが分かります。

しかし、日常生活で毎日ご飯を規則正しく食べ、なおかつデスクワーク主体の生活を続けていると、気温の変化にさらされる機会は当然少なくなります。
その結果、脂肪が消費される機会が減り、ただただ身体に溜まってしまうという事なのです。

ファスティングを行うことによって、身体にとって最低限必要な栄養だけを摂取しつつ、身体に溜まった脂肪をエネルギ―源として用いることができます。
その結果脂肪の減少とともに、体重も減少します。

そもそも「ファスティング」「断食」とは

ファスティングとは英語表記で「fasting」となり、断食の意味を持ちます。
英語で「breakfast」は朝食ですが、これは睡眠中に何も食べていなかった状態を「fast」が意味しており、その状態を食事を摂ることで破るため「break」という単語が前に位置しています。

日本語にすると断食となるのでいまいち馴染みがありませんが、実は気付かないだけで、中学生の頃に習う英語の単語でも使われていたというかなり身近にある言葉だったことが分かります。

実際は一言「ファスティング」と表しても様々な方法が存在しています。
宗教であれば修行メニューの1つとして、ヨガであれば精神統一を促す方法として紹介されています。

水だけしか飲まないという過激な方法もありますが、ダイエットとして行われるものについては、ドリンクの種類は許容範囲を広くとっています。

ファスティングダイエットは完全に食事を断つというわけではなく、あくまでも内臓を休める観点から、固定物を取らずに液体によって必要最小限の栄養を摂取する形で進められます。

それだけに、1ヶ月以上の長期間ファスティングを行う際には、専門のトレーナーについて行う必要があります。
場合によっては拒食症などの症状を引き起こす可能性もありますから注意が必要です。

ファスティングダイエットの成功者や実践者

ファスティングは固形物を摂取しないため、ダイエッターから見ても比較的取っつきにくいジャンルの1つでもあります。
しかし意外にも成功者は多く、女性芸能人が多数成功しています。

タレント・モデルとして有名なローラさんは、野菜や果物の100%ジュースを食事代わりに飲用するのを1週間続けました。
具体的な体重減少の数値は公表されていないようですが、お肌の状態が良くなったとの報告をブログにて行っています。

ホームレス漫画家として有名になった浜田ブリトニーさんも、他のダイエットと併用しつつ、2カ月で-10kgの減量に成功しています。

もちろん女性だけでなく男性にも成功者は多く、俳優の榎木孝明さんは30日間水とわずかな食料(あめ玉など)で不食を達成し、-9kgの減量に成功しています。
榎木さんは過去にも不食を経験したことがあり、20代のころにインドへ単身旅行へ行った際、飲まず食わずで帰国した後は必ず体調が良くなっていたそうです。

集中力が増し、本を読むスピードが速くなるなど、減量以外の効果も自覚できるようになったと新聞のインタビューで答えています。

身体の状態が食事を継続して摂取していた頃よりも良くなるという効果がメディアで紹介され、ファスティングを指導する数多くの書籍が飛ぶように売れ、一躍ブームになりました。
ダイエットはもちろん、健康状態の改善にも効果が期待できそうです。

ファスティングダイエットで得られる効果やメリット

ファスティングダイエットには、体重減少といった直接的な目的の他にも、健康維持・増進効果が期待できます。
以下に詳細をご紹介します。

胃腸をはじめとする内臓を休められる

私たちの内臓は、自分の知らない時間・知らないところで命を維持するために休まず活動しています。
心臓は死ぬまで休まず働いてくれますが、そのほかの内臓は活動する機会が無ければ休ませることが可能です。

代表的なものは胃や腸など、消化に関わる器官です。
食事を摂らなければ動く機会がその分減り、働きを休められます。

表面的に見える部分の身体と同じで、休ませることで機能が回復します。

現代人は1日3食を規則正しく食べる習慣に慣れ親しんでいるため、食事を摂らないことは不健康であるとの考えを持つ方は多いです。
しかし、過食が肥満の一因であることを考えると、ファスティングが減量に有効であることは理解しやすいと思います。

ファスティングの提唱者の中には、1日3食がそもそも食べ過ぎであると書籍で述べている方もいます。
1日3食を止めるべきかどうか、全ての人に当てはめることはできませんが、少なくともファスティングを行うことで便秘が改善されたという例も紹介されています。

これは胃腸の消化にかかる負担が減ったことが一因です。
3食食べる習慣を続けていると、常に身体の中に消化物が存在していることになります。

そのため便が1日で出切らず、宿便となって残ってしまいます。
しかし、食事の摂取を控えると胃に食べ物が無い状態で腸が便を出そうと運動するため、宿便を排出する効果が見込めるのです。

ファスティング中は固形物の消化に時間がかからないため、胃腸は省エネで活動でき、結果的に器官の修復が可能になります。
ケガをしたときに患部を動かさないのと同じで、内臓にも極力動かない時間が必要なのです。

代謝向上

消化にはエネルギーを必要とします。
しかし、ファスティングを行うことで消化にかかるエネルギーが少なくなります。

その結果、身体は余ったエネルギーを細胞の再生や修復に使うようになり、代謝が活発になります。

人間の身体で働く酵素は、大きく分けて消化目的と代謝目的に使用され、その生産量は決まっています。
人間は栄養を食事によって補給しなければなりませんから、必然的に消化酵素が優先して働きます。

しかし、過剰に食物を摂取した場合、消化酵素がたくさん使われてしまいます。

その結果、代謝酵素の数が少なくなり、代謝に使えるエネルギーが足りなくなります。
代謝できなかったエネルギーは脂肪として溜まり、これが肥満の一因となります。

逆に消化にほとんど酵素を使わなければ、その分代謝酵素がエネルギーの代謝に力を注いでくれます。
ファスティングがダイエットに有効というのは、このような理由もあるのです。

酵素ダイエット

有害物質の排出

先ほど、ファスティングを行うことにより便秘が解消するとお伝えしました。
その副産物として、腸内から排出しきれなかった有害物質を外に出すことが可能になります。

大腸には栄養を吸収したあと、不要な物質を便として排出する働きがあります。
この働きは日常生活が乱れるにつれ不安定になり、便秘などの症状があると、その際に出きらなかった便の中にある有害物質がそのまま残ってしまいます。

ファスティングによって動きが軽くなった大腸が自浄作用を強め、宿便と一緒に有害物質も排出してくれます。

ファスティングダイエットの具体的な方法・やり方

健康に留意してファスティングダイエットを行うには、最短でも1週間単位でスケジュールを組む必要があります。
以下に詳細をご紹介しますが、もし自分だけで行う際に不安を感じたら、専門のインストラクターの知恵を仰ぎましょう。

準備期間を2日取る

ファスティングをいきなり行うと、当然身体に負担がかかってしまいます。
そのため、少しでも負担を少なくするために食事に気を配る必要があります。

消化の悪いものや脂ものは避け、温野菜やにゅうめんなど、消化の良いものを摂取します。
普段の食生活などによっては、この時点で体重が落ちるという方もいます。

ファスティング初日が一番お腹が空く

普段食事を摂取しているところをガクンと減らすわけですから、当然初日は身体がそれに対して反応します。

お腹もよく鳴ります。
この日から3日間は主に水分のみの摂取となりますが、飲用時間は特に定められていませんから、自分の身体に合ったタイミングで摂取しましょう。

日常的にコンビニやお弁当屋さんの弁当を食べていたり、インスタント食品やスイーツをお昼に食べる習慣がある方は、一時的に低血糖状態を引き起こすことがあります。

冷や汗などの症状が出る場合がありますから、会社勤務などがある方は特に注意して取り組むようにしましょう。
万一の場合に備え、塩飴などを常備しておきましょう。

低血糖状態を防ぐには、準備期間にきちんとした食事をあらかじめ摂取しておく必要があります。
くれぐれも思い立ってすぐにファスティングを行うことはしないでください。

2日目は眠気に注意

2日目まで行くと空腹感は次第に感じなくなってきますし、宿便が出る時期でもあります。

気を付けるのは眠気です。
身体が余計なエネルギーを消費させないように、できるだけ最小限のエネルギー消費に抑えようしますが、その副作用として眠気が発生するのです。

しかしこのとき、体内ではサーチュイン遺伝子が活発に働いています。
空腹時に機能する遺伝子で、別名長寿遺伝子とも呼ばれています。

人体の健康を回復するのに大きく役立ってくれます。
成長ホルモンにも働きかけ、老化防止にも効果があると言われています。

3日目までいくと体重やお肌に変化が見られる

3日目になってくると、便通はなくなり、お腹もならなくなります。
また、身体が軽いのを実感できるのもこの頃です。

この時点で-3kgほど減量できた方もいれば、メイク時の肌にハリやツヤを感じる方もいるようです。
集中力の向上など、身体的に良い傾向が見られる方も多いようです。

回復期間も2日取る

準備期間同様、胃腸をもとの状態に戻すための回復期間も2日取ります。
食事内容も準備期間と同じく、消化の良い食べ物を摂取していきます。

元の食事に戻す場合も決して急がず、自分の無理の無い範囲で食習慣を戻すよう心がけましょう。

ファスティングダイエットの注意点

ファスティングダイエットは食事を極端に制限するため、通常のダイエットとは異なる心構えが必要です。
以下に詳細をご紹介します。

決して無理をしない

ファスティングを行った方のほとんどが遭遇するのが「低血糖」です。
この低血糖は、仕事が忙しいときといったような普段の日常生活でも比較的頻繁に遭遇しがちですが、放っておくと大変なことになります。

発汗や手足のふるえを感じた時点で糖分を摂取しなければ、中枢神経にも異常をきたします。

もし頭痛が発生したら、その段階で重度と考えて良いでしょう。
ひどい症状になると、意識が遠のき昏睡状態になる場合もあり、決して看過できないものです。

ファスティングを行う際は、低血糖症状が発生しないよう準備期間を設けるのはもちろん、万一症状が発生したときに備えて糖分が取れるものを常備しておきましょう。
塩分も一緒に摂取できる塩飴がおすすめです。

専門のインストラクターの方法に学ぶのも1つの手

ファスティング自体はその気になれば誰でも取り組めますが、意思の問題や我流では不安があるなどの理由から、取り組めない方も多いようです。
その場合は、ファスティングのインストラクターを頼るのも良い方法です。

誰かがしっかりと健康状態を見てくれている状態であれば、自分一人で行うよりも安心して取り組めます。
ダイエット合宿・断食道場などの名前で運営されている施設もありますから、気軽に説明会などに参加してみましょう。

ファスティングダイエットのまとめ

ファスティングダイエットは、芸能人も数多く取り入れて成功したダイエット方法です。
固形物を食べない形でのダイエットになりますから、人によっては胃腸が慣れないかもしれません。
しかし、ダイエット以外にも体調が回復するなどの良い効果が期待できますから、一度は挑戦する価値のあるダイエット方法です。

自分一人で行うのに不安があれば、インストラクターの力も借りつつ、体重減と健康回復に取り組んでみてくださいね!

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