VOL.001 アーユルヴェーダの世界にようこそ

VOL.001 アーユルヴェーダの世界にようこそ

HEALTH - 女性とアーユルヴェーダ

鍼灸といえば中国が発祥の地として広く知られています。しかし、そのルーツをさかのぼると、古代インド伝承の医学「アーユルヴェーダ」にたどり着きます。そのため、中医学とアーユルヴェーダには、多くの共通点があります。アーユルヴェーダは、女性が輝きながら生きる方法と健康に関する知恵の宝庫です。本連載では、Ten治療院の院長の鍼灸師あん摩マッサージ指圧師およびアーユルヴェーダセラピストの小川ゆり先生に、アーユルヴェーダの神秘なる生命観を解説していただきます。

アーユルヴェーダは生命の“トリセツ”

 

 

世界最古の医学といわれているインドのアーユルヴェーダの教えでは、自分自身の肉体・精神・魂・感覚器官と、自分を取り巻く環境や自然、天体、宇宙などは、どれひとつ切り離すことなくすべてつながり、かかわり合っていることを説いています。第1回は、「生命の取扱い説明書」ともいわれる、アーユルヴェーダが説く宇宙と人間をつなぐ法則のお話をします。

 

 

たった五つの要素の組み合わせで世界は創られる

 

 

アーユルヴェーダでは、すべてのものは「空」「風」「火」「水」「地」という五大元素によって創られていると捉えています。

 

 

宇宙、人間、動物、植物、そして今あなたが手にしているパソコンやスマートフォン……。この世のすべての存在が、五大元素から成り立っているのです。そして、この五大元素は「エネルギー」が加わることによってはじめて、それぞれの生物や物質として創造され、存在することができるのです。

 

 

太古の昔、宇宙にも始まりがありました。
「空(空間)」に「エネルギー」が組み合わさって「風」が発生し、風が起こした摩擦で「火」が発生し、空の中の微粒子が溶けて「水」ができて、水が固まって、「地」となって誕生した宇宙。

 

 

人間も、女性の子宮という神秘なる空間のなかで、「魂=エネルギー」と五大元素が結びつき、宇宙の創造と同じ過程を経て生命として誕生するのです。そして「魂=エネルギー」が肉体を脱いで再び「魂=エネルギー」の存在に戻ることを、私たちは死と呼びます。

 

 

宇宙・人間・森羅万象……。この世のすべては同じ法則で生まれ、見えない糸によって結ばれているのです。

 

 

 

 

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アーユルヴェーダのシロダラーの様子

 

 

 

 

私たちのなかに広がる宇宙

 

 

宇宙・天体と人間とのつながりを、とてもダイナミックかつドラマティックに示してくれるのがDNAです。

 

 

私たちの身体を構成する細胞は全部で60兆個あるといわれています。そして、細胞はもともとひとつの受精卵です。それが細胞分裂を繰り返し、定められた場所で皮膚・心臓・脳・腸などになり、日々絶え間なく再生と死を繰り返しながら身体の機能を維持しています。
DNAはこれらの細胞の核にあり、「人間の設計図」としての重要な役割があります。

 

 

人間にとって自己の証であるDNAを構成している成分が、天空に輝く太陽系の惑星と対応しているのです。アーユルヴェーダは、実は私たち人間と宇宙は同じ仕組みで存在しているということを、さまざまな角度から教えてくれます。

 

 

また、アーユルヴェーダと深いかかわりのある「ジョーティシュ」では、誕生時点での誕生場所から見た黄道12星座のラシ星座と、9つの惑星のグラハ星との位置関係を計算し、チャートを作成します。言い換えれば、誕生の瞬間の天体や惑星の位置を鑑定して、人生に何が起きるのかを読み解いていけるのです。

 

 

このように、宇宙・天体・人には深いつながりがあり、身体の細部にまで貫かれているという考えが、アーユルヴェーダの根幹にあります。

 

 

 

 

古代の知恵から現代の健康を知る

 

 

今回は、アーユルヴェーダにおける考え方と、宇宙と人間の深いかかわりについてお伝えしました。

 

 

数千年前に発祥したアーユルヴェーダ医学ですが、伝承されてきた人体の理論や健康法のなかには、近年の最新科学をもってようやく実相が解明されてきたものもあります。中医学を学んだ鍼灸師である私が、中医学の樹の根とも言える古代からの智慧・アーユルヴェーダの世界に出会い、その法則に従がって患者さんの施術に携わっていることで、私自身も人と森羅万象との深いかかわりの結びつきを実感しています。人が自然のリズムに同調することが出来れば、人は輝き、健康でいられる。私の仕事はその“調律師”なのです。

 

 

この連載をきっかけに、皆さんが少しでもアーユルヴェーダの世界について興味を持っていただけるとうれしいです。次回は『アーユルヴェーダと女性の健康』をテーマに、女性特有の疾患への有効性やアーユルヴェーダの知識を活かすアンチエイジングについてお届けします。

 

【著者紹介】

小川ゆり Ten治療院院長

2006年、名古屋鍼灸学校卒業。はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師免許取得後、市内の治療院にて勤務。渡印し、インドのアーユルヴェーダクリニックにて研修を受ける。帰国後、Ten治療院院長。

 

【店舗紹介】
Ten治療院  http://www.thankyou-ten.com/

〒464-0821  名古屋市千種区末盛通4−26 ARK HOUSE 9A

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